ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
「舞、これ。」

克がゴソゴソと自分のバッグから
ミサンガを取り出して、舞に手渡す。

「ありがとう。2人で付けれるの嬉しい。」

舞に笑顔が戻った。

「早速つけてみてもいい?」

「おう、もちろん。俺もつけよー。」

2人は海辺の階段に座って
足首にぎゅっと結びつけた。

ミサンガについたチャームが
光に照らされてキラキラと輝いている。

「克、今日ありがとね。
2人でゆっくり過ごせて、嬉しかった。」

「俺も。本当今幸せ。」

「克もこの前言ってたけど…
やっぱり彼女になれてよかった。
友達のままでもいいって思ってたけど
こうやって2人で色々な所言ったり
ゆっくり過ごしたりって、やっぱ
付き合ってないとできないもんね。
それに、こういうの克が他の子とって
思うと…やだってなる。」

「舞…、それすっげー嬉しい。」

克はそう言って、舞の頭を撫でた。

「何で?こういうのやじゃない?」

舞が心配そうな目で克をみた。

「全然。俺のこと、ちゃんと
好きでいてくれてるんだなーって嬉しいよ?」

「本当?…無理しないでね?
嫌なことあったら言ってほしい。
ちゃんと直すようにするから。」

舞は、克の手をとり
不安そうにぎゅっと握りしめた。

表情が曇る舞にふっと微笑む克。
< 111 / 294 >

この作品をシェア

pagetop