ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
「やっぱ似合う。」

舞の白い肌にキラキラと輝く
ネックレスを見て克が微笑んだ。

「克ー!ずるいよー。
こんなプレゼント…。
私何もできてないのに。」

舞は振り返って克の胸に顔を埋めた。

「がっちりハート
掴んじゃいましたか?」

意地悪そうに笑う克。

「掴まれまくりだよー!!
本当びっくりしたし、嬉しかった。」

「ならよかった。」

ぎゅうっと抱きしめる克。

「克ばっかり
かっこよくてずるいよ。
私、いつもしてもらってばっかりで
何も返せてない。」

克の胸の中で悔しそうに呟く舞。

「充分だよ。今日俺
すっげーたのしかった。
それに、この夕陽
舞と一緒に見たかったんだー。
だから充分。ありがとう。」

「…克は優しすぎるよ。
んー、何か返せることない?」

舞が顔をあげて克を見つめる。

「気ぃ使い過ぎだって。
んー、…そんな言うなら…。」

舞の胸に顔をうずめる克。

「ひゃっ!?何?」

ビクンッと飛び上がる舞の手をとって
克が抱きしめた。

「しっ。声、ちょっと我慢して。
他のやつに聞かせたくない。」

カチッとネックレスを
噛む音がしたかと思うと
鈍い痛みが舞の身体に伝わった。

「…んっ。克?」

一気に身体が火照るのがわかる。

「ちゅ…ちゅ…っ」

「…すぐ…っる。ん…っ」

「声、我慢って言ったろ?」

「んん…っ。だって…いたぁ。」

胸元がじんじんと痛む。
舞はぎゅっと克にしがみついた。



「…は…ぁ、ついた。」

顔をあげて舞をみつめる克。

「…ついた?」

余裕のない舞が克に尋ねた。

「キスマーク。舞は俺のって印。」
< 113 / 294 >

この作品をシェア

pagetop