ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
「おはよー。」

朝練を終えた克が教室に入ってきた。

「おはよう。昨日はありがとう。」

「おう。お母さんたちとゆっくりできた?」

「うん。お母さんとお父さんと
ゆっくりできたよ。…お父さんが
克くんを連れてきなさいって言ってた。」

舞は照れながら克に言った。

「マジか!すっげー緊張するけど
すっげー嬉しい!今度お邪魔します!」

克がキリッとした顔で舞に言った。

「ふふっ、ありがとう。」

シャラッ


「…それ、付けてくれてんのな。」

「えっ?」

克が自分の胸元をトントンっと指差した。

克から貰ったネックレスのことだと
気付く舞。

「もちろんだよ。ずっと大切にするね。」

舞は嬉しそうに制服の上から
ネックレスを握りしめた。

「あと、これも。」

脚を伸ばす舞。そこには克とお揃いの
ミサンガが結びつけてあった。

「俺も。付けてきた。」

克も照れたように制服のズボンを
捲り上げる。

「…あー、あともう一個。
消えたら…また言って?つけるから。」

ぼそっと囁く克。

それがキスマークのことだと
気付くのに、時間はかからなかった。

「…ばか。」

克の一言で、身体中が沸騰したみたいに
熱くなる。火照った身体を悟られないように
舞は自分の席についた。


(恥ずかしくって、言えないけど
…この痕も嬉しかったな。
離れてる間もずっと克に抱きしめて
もらってるような気がして…
昨日から何回も見返しちゃった。
…克ー!大好きだよー!!!)
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