ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
「皆、テスト期間お疲れ様!
今週からぼちぼち結果が返ってくると思う。
わからないところがあったら
すぐ職員室に来ること!
わからないところをそのままにしないように!

…テストの話はこのくらいで…っと
合唱コンクールの準備に入るから
リーダー拓実、副リーダー希望を中心に
自由曲の選曲と練習スケジュールを
立ててな。俺も練習は極力出るから。」

HRで生島先生が皆に話す。

「はーい。あ!いっしー、今年の
1年の課題曲は何になったんですかー?」

直樹が言った。

「おっと!忘れてた。
1年生は、Let’s Search For Tomorrow
になりました。あとは、ピアノと指揮者も
決めないとな。
…次、俺の授業だから、このまま決めっか。」

先生からの提案に喜ぶ皆。

「じゃぁ、拓実と希望でてきて。」

カタンッ

2人が前へ出て行く。

自然と拓実が進行、希望が板書をすることに。

「皆、まず自由曲を決めたいと思います。
何か歌いたい曲はありますか?」

「大切なもの」

「時の旅人」

「古いけど、青いベンチ」

「またまた古いけど、アンジェラの手紙」

「ゆずの夏色」

…次々と曲があがる。

「おー、お前たち、結構俺の世代の
曲チョイスしてくるじゃんっ!!
青いベンチとか、元カノとの青春や。」

生島先生がぼそっと囁いたことに
皆はすぐ反応した。

「きゃー!!」

「いっしー。何それ、振られたのー?」

「元カノってどんな人だったんですか?」

皆ココイチの盛り上がりを見せる。

「…くっ、言わなきゃよかった。
そうだよ!振られたよ。だから、歌詞の
この声が枯れるくらいに〜のとこ
カラオケで、マジで熱唱してたからな!」

生島先生がヤケになって答える。
それを聞いてまた皆、ドッと笑った。

「…じゃぁ、生島先生の元カノに捧ぐ
ってことで、俺らの自由曲は青いベンチ
でいいかな?」

拓実がすかさず皆に投げかけた。

「さんせー!」

「いっしーをまた泣かせよー!」

「元カノに送ろー!」

皆わいわい言いながらも拓実のスムーズな
進行により、自由曲はすぐ決まった。
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