ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
「せつねー。」
拓実が歌詞を希望に伝えながら
机に顔を伏せた。
「そうだね。この声が枯れるくらい
君に好きと言えばよかった、ってとこ
凄く気持ち伝わってくるよね。」
希望も模造紙に書いた歌詞を撫ぜた。
「いっしーもこんな気持ちだったのかな。」
「カラオケで熱唱したって言ってたから
同じ気持ちだったのかも。
…でも、こんな気持ちになれるくらい
誰かを好きになれるって、素敵なことだよね。」
希望が呟いた。
「…希望ちゃんは、…いないの?」
拓実が顔を伏せたまま、尋ねた。
「…え?何が?」
「…好きな人。」
美術室に沈黙が流れる。
カーテンが風に舞ってゆらゆらと揺れていた。
「…ちょ、待って。ごめん。
変なこと聞いた。気にしないで。」
沈黙に耐えきれなくなった拓実が
慌てて頭をあげて言った。
「…今、目の前にいる人。」
「えっ?」
「…拓実くんが、ずっと好き…。」
希望は顔を真っ赤にして
俯きながらそう言った。
「あ、でもね。私が一方的に好きだったから。
気にしないで。わー、言っちゃった。」
希望が無理して笑顔を取り繕った。
「…一方的じゃないよ。」
「えっ?」
「俺も、中学校の時から
希望ちゃんのことが好きだった。」
「う、嘘っ!!」
「嘘じゃないよ。だから今幸せ。
何これ。やった!夢が叶った。」
「えー。信じられない。
だって私何も取り柄ないし。
拓実くんともなかなか話せなかったし。」
「そんなことないよ。
字も絵も、めっちゃ上手だし。
この前の打ち上げの時も、めちゃめちゃ
人のこと気にしてくれて、気もきくし
隣で話せてやっぱ好きだなーって思った。
それに、希望ちゃんは忘れてるかもだけど
中学校で1回だけ日直が一緒になってさ
2人でこうやって、放課後にしゃべったの
すっげー覚えてる。何か…
安心するっていうか、居心地がよかった。」
「それ、さっき私も考えてた。」
「まじか、以心伝心。」
そう言って2人で笑った。
拓実が歌詞を希望に伝えながら
机に顔を伏せた。
「そうだね。この声が枯れるくらい
君に好きと言えばよかった、ってとこ
凄く気持ち伝わってくるよね。」
希望も模造紙に書いた歌詞を撫ぜた。
「いっしーもこんな気持ちだったのかな。」
「カラオケで熱唱したって言ってたから
同じ気持ちだったのかも。
…でも、こんな気持ちになれるくらい
誰かを好きになれるって、素敵なことだよね。」
希望が呟いた。
「…希望ちゃんは、…いないの?」
拓実が顔を伏せたまま、尋ねた。
「…え?何が?」
「…好きな人。」
美術室に沈黙が流れる。
カーテンが風に舞ってゆらゆらと揺れていた。
「…ちょ、待って。ごめん。
変なこと聞いた。気にしないで。」
沈黙に耐えきれなくなった拓実が
慌てて頭をあげて言った。
「…今、目の前にいる人。」
「えっ?」
「…拓実くんが、ずっと好き…。」
希望は顔を真っ赤にして
俯きながらそう言った。
「あ、でもね。私が一方的に好きだったから。
気にしないで。わー、言っちゃった。」
希望が無理して笑顔を取り繕った。
「…一方的じゃないよ。」
「えっ?」
「俺も、中学校の時から
希望ちゃんのことが好きだった。」
「う、嘘っ!!」
「嘘じゃないよ。だから今幸せ。
何これ。やった!夢が叶った。」
「えー。信じられない。
だって私何も取り柄ないし。
拓実くんともなかなか話せなかったし。」
「そんなことないよ。
字も絵も、めっちゃ上手だし。
この前の打ち上げの時も、めちゃめちゃ
人のこと気にしてくれて、気もきくし
隣で話せてやっぱ好きだなーって思った。
それに、希望ちゃんは忘れてるかもだけど
中学校で1回だけ日直が一緒になってさ
2人でこうやって、放課後にしゃべったの
すっげー覚えてる。何か…
安心するっていうか、居心地がよかった。」
「それ、さっき私も考えてた。」
「まじか、以心伝心。」
そう言って2人で笑った。