ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
「パートリーダーは
放課後、残って拍の確認ねー。」

優香が皆に言った。

「舞、ソプラノのパートリーダーだろ?
俺も優香ちゃんに残って教えてもらうから
一緒帰ろー。」

自席に戻ってきた克が話しかけた。

(優香ちゃん、優香ちゃんって
もう本当ノーテンキ。)

「しばらく忙しいから帰れない。」

自分でも驚くような冷たい言い方に
なった舞。

「舞ー?何か怒ってる?」

心配そうに覗き込む克。

「怒ってない。ただ忙しいの。」

「本当かよ。」

「本当だって!」

「…そっか、そんな言うなら
しょうがないな。じゃあ放課後は先帰るな。」

しょぼんとした表情の克が言った。

(あー、またやっちゃった。
こんなの、本当ただの八つ当たりだよね。
もう、自分の性格に嫌になる。)

舞はモヤモヤしながら放課後を迎えた。
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