ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
(あれから、水曜日、木曜日と
克とは連絡していない。
教室でも、一言も話していない。

大輔くんがやりすぎたーって
謝ってくれたけど、むしろ大輔くんには
感謝してる。
だって、今こうならなくても
結局、いつかは喧嘩してたもん。絶対。)


ー昼休みー

[ブーブーブーブー]

(克からだ。)

[今日、部活休みになった。俺ん家来ない?
兄貴達、帰ってきてるけど
友達ん家泊まるみたいだから
母ちゃんが、舞とご飯食べたいって。
嫌ならいいけど。]

「克何って?」

心配そうに舞に聞く詩織。
屋上で、詩織に今までの経緯を話したら
大輔くんに感謝だねって笑ってくれた。

「ご飯食べに来ないかって。」

「え、意外と普通だね。
もう怒ってないんじゃない?」

「…いや、怒ってるはず。
最後に嫌ならいいけどって入ってる。」

「はは、本当2人して。
素直じゃないんだから。
今回も大輔くんが一肌脱いでくれなかったら
ずっとモヤモヤして過ごしてたんでしょ?
今日は舞も部活休んでゆっくり話してきなさい。
舞のお母さん達には、うちん家でご飯食べる
って言えばいいじゃん。」

「うん。そうする。」

[うん。行く。ありがとう。]

それでもまだ素直になれない舞は
絵文字なしのメールを克に送った。
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