ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
「こんばんは。」

「いらっしゃい。舞ちゃん。
どうぞ、あがってあがって。」

いつものようにニコニコしたお母さんが
迎え入れてくれる。

「あの、今日ありがとうございました。
…克くんと、つまらないことで
喧嘩しちゃってて…その…今日…助かりました。」

「ふふ、いいのよ。
本当に舞ちゃんとご飯食べたかったし。
今日は手巻き寿司にしたの。
お兄ちゃんたちいないからゆっくり食べてね。」

「手巻き寿司??
…舞が来てくれたら、毎日ご馳走になるかも。」

克も照れて笑った。

ご飯中は、この数日克が廃人のように
落ち込んでたこと
家族皆応援してるから何かあったら
すぐ言うように
と笑ってお母さんが話をしてくれた。


「舞ちゃんと、ゆっくり話せてよかった。
この子、本当に女の子の気持ち疎いから
何かあったら、本当怒ってやってね。
お母さん、今日婦人会だから
ゆっくりして帰って。
お父さん、今日仕事遅いみたいだから。
もし帰ってきたら、残り食べさせて。
アイスも冷凍庫にあるからねー。」

そう言うと、お母さんは出掛けていった。
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