ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
はじめてのお泊まり
キキッ
克の家に着いて自転車を降りる克。
「足つけそう?」
舞の手をとり、心配そうに尋ねた。
「うん。大丈夫。…いてて。」
足を少し引き摺るように歩く舞。
「ちょっとだけ我慢な。
…ただいまー。」
バタバタと奥から克のお母さんが出てきた。
「あらー、舞ちゃん、浴衣可愛いー!
…じゃなくって、靴擦れ、大変だったわね。
あがって、あがって。」
お母さんが優しく迎えいれてくれる。
「ちょっと足、みせて。
…あら、これは酷いわね。
…お父さん、お父さーん!
消毒液持ってきてー!」
お母さんが玄関から叫ぶ。
「克達、帰ってきたか!」
お風呂上がりのお父さんが
バタバタと奥から走ってきた。
「わ!…はじめまして。いつも
お母さんと克くんにはお世話になっています。
並木中学校出身の若松舞です。
…今日は、夜遅くに、ごめんなさい!」
お父さんの登場に、舞はあわあわと
頭を下げた。
「はじめまして。やっと会えたね。
母さんからはよく話を聞いていたよ。
克にはもったいないくらい可愛くて
優しいお嬢さんだって。」
お父さんは優しく笑って言った。
「お父さん、もー自己紹介はいいから
消毒液持ってきてくれた?」
「あ!バタバタ風呂から出たから
忘れてきてしまった。…でも母さん
こんなに皮も剥けてしまっていたら
一回お風呂に入ってからがいいんじゃないか?」
お父さんが冷静に提案する。
「そうね。汚れを落としてからが
いいわね。それに怪我して疲れただろうし。
…そうだ!舞ちゃん、今日泊まっていきなさい。」
お母さんが舞に言った。
「いや、これ以上御迷惑かけられません!」
舞は必死に首を振った。
「こんな状況で帰す方が心配だ。
僕から舞ちゃんのお家に電話してあげるから
今日はゆっくりしていきなさい。」
克のお父さんも舞に言った。
「…ごめんなさい。ありがとうございます。」
「うん!なら安心だ。
克にも変なことはさせないから!
舞ちゃん、お家の電話番号を教えてくれるかい?」
お父さんは冗談を言いながら舞に尋ねた。
「××××-××-××××です。」
お父さんがすぐに電話をかける。
「夜分遅くにすみません。
脇田克の父です。今日は夏祭り
御一緒させていただいたようで
ありがとうございました。
…それでですね、舞さんが靴擦れを
したみたいで、…はい。…はい。
それで、今日は夜も遅いので
こちらでお預かりできたらと思うのですが。
…いえいえ、大丈夫ですよ。
はい、ご心配をおかけしました。
…あー、はい、修一と申します。
はい、今も生活安全課です。
え?…若松課長さんですか?
あー、ご無沙汰しております。
…ええ、…はい。はい。
いえいえ、はい、ありがとうございます。
それでは、明日送らせますんで。
はい、よろしくお願いします。
失礼します。」
ガチャ
「舞ちゃんのお父さん
よく知ってる人だったよー!
今福祉事務所長でしょ?
よくDVの案件で電話しあっているんだ。」
克のお父さんがびっくりしたように話した。
「DV?ですか?」
「あー、警察署で働いていてね。
今生活安全課長をしているものだから。」
「えー!お父さん警察官なんですね。
カッコいい!」
舞は目をキラキラさせて言った。
「だから舞ちゃん
この子がこの先、舞ちゃんを泣かす
ようなことがあったら、すぐ相談するんだよ!
必殺ヨンノジガタメで懲らしめてやるから!」
「はい!その時はよろしくお願いします。」
舞も笑って言った。
「あー、でも安心したわ。
そしたら舞ちゃん、ゆっくりお風呂に入って。
ほら、克、タオルとか用意して!」
お母さんがチャキチャキと指示をする。
克の家に着いて自転車を降りる克。
「足つけそう?」
舞の手をとり、心配そうに尋ねた。
「うん。大丈夫。…いてて。」
足を少し引き摺るように歩く舞。
「ちょっとだけ我慢な。
…ただいまー。」
バタバタと奥から克のお母さんが出てきた。
「あらー、舞ちゃん、浴衣可愛いー!
…じゃなくって、靴擦れ、大変だったわね。
あがって、あがって。」
お母さんが優しく迎えいれてくれる。
「ちょっと足、みせて。
…あら、これは酷いわね。
…お父さん、お父さーん!
消毒液持ってきてー!」
お母さんが玄関から叫ぶ。
「克達、帰ってきたか!」
お風呂上がりのお父さんが
バタバタと奥から走ってきた。
「わ!…はじめまして。いつも
お母さんと克くんにはお世話になっています。
並木中学校出身の若松舞です。
…今日は、夜遅くに、ごめんなさい!」
お父さんの登場に、舞はあわあわと
頭を下げた。
「はじめまして。やっと会えたね。
母さんからはよく話を聞いていたよ。
克にはもったいないくらい可愛くて
優しいお嬢さんだって。」
お父さんは優しく笑って言った。
「お父さん、もー自己紹介はいいから
消毒液持ってきてくれた?」
「あ!バタバタ風呂から出たから
忘れてきてしまった。…でも母さん
こんなに皮も剥けてしまっていたら
一回お風呂に入ってからがいいんじゃないか?」
お父さんが冷静に提案する。
「そうね。汚れを落としてからが
いいわね。それに怪我して疲れただろうし。
…そうだ!舞ちゃん、今日泊まっていきなさい。」
お母さんが舞に言った。
「いや、これ以上御迷惑かけられません!」
舞は必死に首を振った。
「こんな状況で帰す方が心配だ。
僕から舞ちゃんのお家に電話してあげるから
今日はゆっくりしていきなさい。」
克のお父さんも舞に言った。
「…ごめんなさい。ありがとうございます。」
「うん!なら安心だ。
克にも変なことはさせないから!
舞ちゃん、お家の電話番号を教えてくれるかい?」
お父さんは冗談を言いながら舞に尋ねた。
「××××-××-××××です。」
お父さんがすぐに電話をかける。
「夜分遅くにすみません。
脇田克の父です。今日は夏祭り
御一緒させていただいたようで
ありがとうございました。
…それでですね、舞さんが靴擦れを
したみたいで、…はい。…はい。
それで、今日は夜も遅いので
こちらでお預かりできたらと思うのですが。
…いえいえ、大丈夫ですよ。
はい、ご心配をおかけしました。
…あー、はい、修一と申します。
はい、今も生活安全課です。
え?…若松課長さんですか?
あー、ご無沙汰しております。
…ええ、…はい。はい。
いえいえ、はい、ありがとうございます。
それでは、明日送らせますんで。
はい、よろしくお願いします。
失礼します。」
ガチャ
「舞ちゃんのお父さん
よく知ってる人だったよー!
今福祉事務所長でしょ?
よくDVの案件で電話しあっているんだ。」
克のお父さんがびっくりしたように話した。
「DV?ですか?」
「あー、警察署で働いていてね。
今生活安全課長をしているものだから。」
「えー!お父さん警察官なんですね。
カッコいい!」
舞は目をキラキラさせて言った。
「だから舞ちゃん
この子がこの先、舞ちゃんを泣かす
ようなことがあったら、すぐ相談するんだよ!
必殺ヨンノジガタメで懲らしめてやるから!」
「はい!その時はよろしくお願いします。」
舞も笑って言った。
「あー、でも安心したわ。
そしたら舞ちゃん、ゆっくりお風呂に入って。
ほら、克、タオルとか用意して!」
お母さんがチャキチャキと指示をする。