ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
(克の部屋…初めてじゃないのにドキドキする。
今日は朝まで一緒にいられるって、嬉しいな。)

舞はベッドの下にストンっと座った。
克がコップと麦茶を持って入ってくる。

「暑くない?クーラー、温度下げようか?」

「ううん。このままで大丈夫。」

コトッとコップを置く克。
麦茶を注いでくれた。

「ありがとう。…今日すっごく楽しかった。
それに、眠る時も起きる時も一緒にいられる
って幸せだね。」

舞はコップを両手で持ちながら
ニコニコして克に言った。

「俺も。…足大丈夫そう?」

「大丈夫。消毒してもらったから
だいぶよくなった気がする。」

「ならよかった。…何か、TV見る?」

「んーん。何か今日は
克とゆっくり話したい気分。
…あ、8月の予定立てよ?」

舞が携帯のカレンダーを出して言った。

「おっけー。んー、お盆前まで
ずっと部活だわ。舞達は?」

「私達もずっと部活。
だけどお昼からは、空いてるよー。」

「じゃあ、前半は部活、終わったら
図書館行って宿題しよっか。
あと、1学期の復習で宅習埋めて。」

「うん。そうだね。
お互い部活もだけど、目標のために
頑張らなきゃだもん!」

「うん。舞とだったら頑張れるわ!」

「そしたら、お昼、お弁当
作ってくる!毎日買いに行ってたら
大変だもんね。」

「え??マジ?いいの?
めっちゃ嬉しいー!!!」

「よかった。…週末は、克たち
練習試合だっけ?」

「うん。相手先に行ったり来たり
って感じかなー。」

「そしたら、週末は詩織と遊ぼうー。
かっちゃんとデートじゃなかったら
だけど。」

「お盆は、親戚帰ってくるからな。
墓参りとかで、なかなか時間つくれないかも。」

「そっかぁ。うちん家もそうだと思う。」

「後半も夏課外はじまるしなー。
…お盆明けの週末、デートしようか。」

「やったぁ!楽しみ!どこ行こっか?」

「舞の行きたいところ、どこでもいいよ。
考えててー。」

「うんっ!」

「よしっ!じゃぁ、そろそろ寝ようか。」

お母さんの用意してくれたタオルケットを
ベッドに敷いてくれる克。
< 184 / 294 >

この作品をシェア

pagetop