ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
「んー。どうなんだろう。
今は正直、まだわからないんだよね。」

「そっかぁ。
じゃぁ、ドキドキはする?」

「んー。…したかも。」

舞は克にはじめて
出会った時のことを思い出した。

「じゃぁ、切ない気持ちには?
なったりする?」

「…さっきした。
優香ちゃんに御守り作ってもらいたい
って言ってたから。
でも、切ないっていうより
…もやもやする感じの方がしっくりくる。」

「…舞ー!!!とうとうこの日が!!」

そう言って、詩織が舞を抱きしめた。

「何よー。」

「だって、かっちゃん並みの鈍感さんが
ついに、恋のはじまりを迎えているんだもん。
お母さん嬉しくって、嬉しくって。」

「詩織、いつからお母さんだったっけ?
それに、まだわかんないよー!!」

「ま、ゆっくり育てなさい。
私も勇気が湧いてきた。鈍感な舞でさえ
ドキドキするんだもん。頑張れば
かっちゃんだって、ドキドキするよね。」

詩織はガッツポーズをして嬉しそう。
(鈍感、鈍感って、ちょっと言い過ぎだけど
…ま、いっか。嬉しそうだし。)
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