ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
「じゃあ、本当にありがとうございました。」

舞が玄関で頭を下げる。

「またゆっくり遊びに来てね。」

「お父さん達にもよろしく。」


バイバイと手を振って
舞は自転車の荷台に腰かけた。

「克ー?」

「んー?」

「…このままずーっと
一緒いたいねー。」

舞が克に言った。

「俺もー。毎日舞におはようって
言ってもらいたい!」

「うん。何かね…もっと大好きになった。」

舞が克の後ろ姿を見て微笑む。

「俺も!もっともっともーっと大好き!」

「ふふふ、ばかっぷる。」

「バカップル、上等!」

日が昇ったばかりの清々しい空気。
朝露に濡れた草花がキラキラと揺れていた。
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