ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
「おはよう。」

「おはよう。舞…今日何か雰囲気違う?
ボーイッシュな感じだ。」

迎えに来た克が舞を見て言う。

「たまには。
今日いっぱい動くかなーと思って。」

ダメージの入ったショートパンツに
白いシャツ。髪の毛は頭のてっぺんで
お団子にしている。

「克も白シャツだから
お揃いみたいだね。爽やか。」

舞は偶然のことに喜んでいる。

「駅までチャリな。後ろ乗って。」

荷台に腰かけ、克の腰に手を回す。
この流れにもだいぶ慣れてきた。


「よーし!今日は1日楽しむぞー!」


ミーンミーンと力のある限り鳴く
蝉たちを背に、克の自転車は駅へ向かった。
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