ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
「はは。舞大丈夫だった?
…っは、やべー、つぼった!
もーあんなビビりとは思わなかった。」

ジェットコースターを降りて
克は笑いながら舞に言った。

「…もぉ。馬鹿にしてー。
本当に怖かったんだからね。」

舞が頬を膨らませる。

「は、はは…っ。ごめんごめん。
そしたら、ゆっくりしたのに乗ろう。」

克が頭を撫でて言った。

「うー、でも克、絶叫系好きでしょ?
乗れないとつまんなくない?」

「んーん。全然大丈夫だよ。
舞とこうやって一緒にぶらぶらできるだけで
充分楽しい。」

「本当いつもごめんね。ありがとう。」

「でも何で、デートで行きたいところが
遊園地だったの?来ること自体
無理しなくてよかったのに。」

「写真撮ったり、食べ歩きしたり
遊園地の雰囲気って好きだから。
克と一緒にのんびりしたかったの。」

舞が克の手をとって言った。

「そっか。じゃあ、舞のしたい
まったりデートしよう。
…俺、チュロス食べたい!!」

いつも気持ちの歩幅を合わせてくれる克。
時には立ち止まってくれたり
こっちだよーって進む方向を教えてくれたり…
改めて克の優しさを感じた舞だった。
< 198 / 294 >

この作品をシェア

pagetop