ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
「夕日が沈んだけど
少しだけオレンジ色が残ってるね。」

ゴンドラに乗り込む2人。
辺りは丁度夕方から夜へと変ろうとしていた。

「舞ー、隣おいで。」

「えー。傾かないかなぁ?」

と言いながら渋々克の隣に移る舞。

「いいじゃん。夏休み
ずっとお預け状態だったんだから。
…舞のこと充電しときたい。」

そう言うと、コロンッと舞の膝に
寝転がる克。

「…頭撫でてー。」

「克って…2人っきりになると
可愛いよね。主将と思えないくらい。」

「他のヤツに見られたら死ぬのは確かだわ…。」

克が笑って言った。

よしよしと優しく克の頭を撫でる舞。

「…あー、幸せー。疲れぶっとぶー。」

目を瞑った克は気持ちよさそうだ。


「ちょっとは充電になった?」

舞が克の顔を覗き込む。

少しの沈黙の後

「…もっとが…いい。」

潤んだ目をした克が
舞の首に腕を回して引き寄せた。

…ちゅ


「克、見られちゃうよ。」

舞がパッと身体を起こした。

「…見られないように…深くして。」

グッとまた引き寄せる克。


ちゅ…くちゅん

克が頭を引き寄せながら、深くキスをする。

「ん…っ、はぁ。…克。」

「舞の声、…すっげぇ響く。」

くちゅ…っ…ちゅ…

「…はっ…。克…くるし…っ。」

ちゅ…っちゅ…

「んー?…まだ、だめー…。」

克はもっと…というように
深く深く舌を絡めた。

「んん…っ、ちゅ…っあ…。」

舞から甘い声が漏れ出す。


「…気持ちい?」

目を合わせて尋ねる克。

コクンッと舞が頷いた。


「本当可愛い。
…俺…よく我慢してるでしょ?」

苦しそうな舞から唇を離す。

「…我慢しなくてもいーよ
って言ってるのに…。」

克のキスでとろんっとなった舞が言う。

「もー…そういうところ。
は…、すげークル…。」
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