ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
「…どうして?…こんなことしなくても
克だ…けだよ?隈元せん…ぱいは本当
何でもない…よ?」

まだ呼吸が荒い舞が
泣きながら克に言った。

乱れたシャツの下には
濃く赤い克の痕が点々とついている。


ハッと我にかえる克。
ぎゅっと舞を抱きしめた。

「…ごめん。
くだらない嫉妬で舞のこと傷付けた…。」

克の目にも涙が溜まっている。


「…克だけ…だよ?」

舞が改めてそう言った。

「…うん。ごめん。」

肩を震わす克。
舞はその身体をそっと抱きしめた。


「隈元先輩は、香織先輩と付き合ってて
ちゃんと自分の気持ちは相手に
伝えていかなきゃいけないよって
教えてくれて…克が私のこと想ってくれてる
のも伝えてくれたの。

だからね…今日、遅くなっちゃうけど
克に会って話したかったの。本当に
克に会いたかった…んだよ?」

舞が一生懸命に想いを伝えていく。

「…うん。」

克も舞の身体を抱きしめた。
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