ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
ケーキを持って克の部屋に行く。
克が紅茶を淹れてくれた。

「おいしーぃ♡」

にっこりする舞。

「よかった。」

克もにっこりと笑った。

「克、あーん。」

1個をぺろっと食べ終わった舞が
もう半分を克にねだる。

「ん?ほい。」

克が食べさせてくれる。

「おいしー♡幸せ♡」

満足ーといった顔でにんまりの舞。


「ごちそうさまでした。」

2人ともあっというまに完食した。


「舞…ここ、痛かったろ?」

舞の髪をサラッと横に流し
首筋の痕を優しく撫でる克。

「…んーん、大丈夫だよ。」

「あー俺、本当めちゃめちゃ嫉妬した。」

正直に話す克。

「…嫉妬する必要ないのに。
克のこと好きなの…ちゃんと伝わってない?」

舞が言った。

「伝わってるよ?…あとは自分自身に
イラついてた。舞を1番に助けて
あげられなかったから。」

「あ、あれね、隈元先輩のお仕置き
って言ってたよ。克、ダンスのペア
香織先輩でしょ?香織先輩が克のこと
かっこいーって言ってたからだって。」

「何だそれー。
俺ばっか、必死になって焦って
馬鹿みたいじゃーん。」

克がふてくされた。

「…克がやきもちやくと
あんななるんだって勉強になりました。」

舞が意地悪く言う。

「…本当反省です。」

克が項垂れた。
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