ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
「克、ちょこっと甘えていいですか?」

舞が言った。

「こんな俺に甘えてくれますか?」

克が自虐的に笑った。


こてんっ


舞が克の膝に頭をのっける。

「この前、克が膝枕したから今度は私が。」

舞が優しく微笑む。
克はよしよしと舞の頭を撫でた。

「克…体育祭の練習に応援団
勉強に部活に…本当今大変だと思うけど
あんまり無理しないでね。」

舞が右手を伸ばして、克の頬を触る。

「…疲れたら、舞が癒やして。」

克が目を閉じて、頬を触れている
手を包んだ。

「うん。すぐとんでくから。」

舞が優しく言った。

克がぽんっ、ぽんっと頭を触る。
心地よい時間が2人を包んだ。


しばらくして

「…克…ちゅうは?」

舞が小さい声で言った。


ちゅ


克が軽く触れる。


「…おしまい?」

舞が残念そうに尋ねた。

「…あんますると、怖いでしょ?」

克が金曜日のことを気にして言った。

舞が両手を伸ばす。


「…優しいの…いっぱいしてくれたら
怖くなくなるよ?」

舞がゆっくりと克を引き寄せキスをした。

少しずつ角度を変えた軽いキス。

ちゅ…ちゅ…っ


舞はこの先を、もう知っているからか
少しもどかしく感じる。
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