ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
ー土曜日ー

直樹の家へ。
直樹の家は町のお寺。
小学校の時から私たちの溜まり場だ。
いつも住職のお父さんが、離れを貸してくれる。

「おはよう。ペンとかフェルトとか
裁縫道具とか、色々持ってきたよー。」

「サンキュー。でも裁縫道具とか俺無理ー。」

直樹が嘆く。

「俺は、せっかくだからやってみようかな。」

とまさかの発言をするかっちゃん。

「え?まじ?」

克も驚いてかっちゃんをみる。

「うん。詩織、教えてくれる?」

「も、もちろん♡」

(やったね、詩織!)

「じゃー、俺はー、見とく。」

と克。

「いやいや、そこはやろうよ。」

舞がツッコミをいれた。

「流石に無理っしょ。直樹つくろーぜー。」

と厚紙に『必勝』と書いている。
2人とも秒で完成。
これ、皆で集まる必要あったかな。

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