ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
「克、おかえりなさい。
すっごくすっごくかっこよかったよ!」

舞が克に駆け寄って言った。

「ありがとう。舞、今日全部
終わったら、抱きしめさせて。」

克が舞の耳元で囁いた。
それを聞いて真っ赤になる舞。

「どうしたの?いつもはそんなこと
言わないでしょ。」

「んー?興奮してっからかな。
舞のこと、ぎゅーってして落ち着きたい。」

「…うん。ぎゅうしようね。
最後、リレー頑張ろう。」

舞は克のシャツを握って言った。


いよいよ最後の種目であるリレーだ。
1年生、2年生、3年生と順に競技がはじまる。

スターターは直樹だ。
パンッと合図が鳴った瞬間に
勢いよくとびだす。

瞬発力のある直樹は先頭に。
小柄な身体だが、逞しい走りで
トップでバトンをつないだ。
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