ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
「素敵なお姉さんだったねー。」

店を出た舞が言った。

「うん。何かキラキラしてた。
愛情で包まれてる感じ。」

「何か、大人への第一歩を踏み出した
って感じがした。」

「あはは、何それー。」

詩織が笑う。

「だってー、こんなに自分の身体と
向き合うってことなかなか無いじゃん?
それに、下着だってこんな真剣に
選んだこともないし。
今までネットで適当に選んでたから
サイズも全然違ったし。」

「確かにー。私もそうだった。
何か明日から、凄く素敵な気持ちで
過ごせそう。」

「本当そうだね。
そしたら、ご飯にするー?
どっか寄りたいところは無いー?」

舞が詩織に尋ねた。

「あ…、いっこ寄っていいー?」

「うん、もちろん!どこ行くー?」

「薬局。」

「何か体調悪い?」

「ううん。…スキン買いに
行っとこーと思って。」

「スキン?」

舞がきょとんとして尋ねた。

「…ゴムのこと。」

詩織が耳元で囁く。

ぼっと赤くなる舞。

「着いて行きます。先輩。」

舞の返事に詩織が笑った。
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