ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
「舞、やったじゃないか。」

夕食中、テストの結果を誉めてくれる
お父さん。ニコニコと回答用紙を見ている。

「克くんと夏休みも毎日勉強していたものね。」

お母さんもニコニコしている。

「うん。わからないところ
教えてもらったから。数学20点伸びたの
嬉しかった。苦手克服はまだまだだけど
これからも頑張れそう。」

舞も嬉しそうに言った。

「目標は、30番以内だったもんな。
本当よく頑張ったよ。」

「夢ができると頑張れるわね。
克くんにも感謝しないと。」


(もう、今しかない。)
ひと呼吸して、舞が話し出した。

「それでね…あの…この前遊園地行った時に
ペアの宿泊券があたって…笹川温泉の
…克の誕生日に一緒に行ってもいい?」

ようやく振り絞った言葉。
自分で自分の胸の音が聞こえるくらいに
心臓がバクバクしていた。

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