ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
ホームルームも終わり、放課後になった。
生島先生は、サッカー部の顧問で
部活に行っている。

明日の朝礼でサプライズになるように
この放課後で設営を仕上げるつもりだ。
そして、明後日が設営の審査の日。

教室の中心に生島先生宛の
赤いハートのメッセージで
さらに大きなハートを形づくる。

その周りに、黄色やピンク、オレンジ等
色とりどりのメッセージを貼り付けていく。

[カッコいいところ]
[優しいところ]
[給食をくれるところ]
[笑顔が可愛いところ]
[わかりやすく教えてくれるところ]
[情熱的なところ]

先生やクラスメイト宛の
たくさんのメッセージが並ぶ。

こうやって、メッセージを見ると
凄くあったかい気持ちになるねと
文化委員の皆で話した。

「よし、完成。」

「わー、素敵。せっかくだし写真撮ろう。」

メッセージをバックに
タイマーで写真を撮る。

文化委員、はじめての行事達成記念。

写真を撮り終えた後
皆のメッセージを読む。

隣の人のいいところは?
『ぜんぶ』

克からのメッセージだ。

「舞ちゃん、凄いね。全部だってー。」

裕子が言った。

「…克が適当なだけだよー。」

といいながら、舞の顔がほころぶ。

「舞ちゃんたち、仲いいもんねー。」

希望もにこやかに言った。

明日が来るのが
こんなに待ち遠しいなんて
本当、皆に協力してもらえてよかったと思う。
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