ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
しかし、相手はやはり経験者。
2ゲーム、3ゲームと相手チームの
実力をみる形になった。

「ドンマイ、ドンマイ。」

チームのもとへ戻ると梨湖が声をかけた。

「…ごめんね。んー。悔しいね。」

詩織が肩を落とす。

「…うん。せっかく梨湖ちゃんたちが
勝ってたのに。」

舞も悔しさを堪えられなかった。

「残念だけど気持ち切り替えて
また、練習頑張ろう。
そして、明日のシングルとダブルス
それぞれ勝とうね!」

綾が言った。

「さ、さおりのシングル
応援しよう。ここゲームとれたら優勝だよ!」

梨湖がベンチから立ち上がった。

香苗はゲーム数、1-3で負けてしまったが
さおりは2-1で今のところ優勢だ。

「ナイスコース。」

「足動かしてー。」

「サーブ、丁寧にね。」

応援にも力が入る。
その応援にこたえるように
さおりもリードを広げていった。
3-1、ゲームセット。

さおりが勝ったことで
団体戦は3対2で見事優勝となった。
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