ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
[ブーブーブーブー]

ベッドに横になっていると
克からの着信。

「もしもし、ごめん。寝てた?」

「ううん。大丈夫だよ。」

「聞いた、優勝おめでとう!」

「…うん。ありがとう。」

「…どうした?何か元気ない?」

「団体は優勝できたんだけど
ダブルスは最後負けちゃったから…
やっぱり悔しいね。」

「確かに、悔しいってなるよなー。
だけど、まだ明日もあるから!
リベンジできる!」

「…うん!そうだね。頑張る!
克は?今日どうだった?」

「俺らも、優勝した!
明日は個人戦だから、気合い入れんと。」

「わー!おめでとう!
克、1年生の中で主将だったんでしょ?
本当凄いよ。おめでとう。」

「舞の御守りのおかげかなー!
ちんちくりんパワー。」

「もぉ、確かにちんちくりんだけど…
ちゃんと気持ちはこもってるから!」

「はは、そうだね。
そしたら、とりあえず明日まで頑張ろう。」

「克、いつもありがとう。」

「なーに?やっぱちょっと弱ってんね。
大丈夫だから!詩織ちゃんとペアって
最強でしょ。自分達を信じて。
サクラサクって渡したろ?」

「あー!本当克にはお見通しだね!
…うん、でも、信じる。頑張る。」

「おー!その調子。
明日は勝って、明後日の打ち上げ
思いっきり焼肉食お!んで、…話そ。」

克の言葉にドキッとする。
この前の帰り道のことを思い出したからだ。
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