ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
[プルプルプルプル]

舞はお風呂からあがると克に電話をかけた。

「はい。もしもし。」

「もしもし、今日もお疲れ様。」

「おう。今日の試合、どうだった?」

「3位だった。
昨日のペアにまた負けちゃった。」

「そっかぁ。経験者って言ってたもんな。
だけど昨日より舞、元気な気がする。」

「うん。今日の試合はやりきったーって
思えたから、悔いはない。
単純に実力がまだないって思った。
練習頑張るぞーって気持ち。克は?」

「俺はー、個人でも優勝。
向かうところ敵なしかな。」

「えー!凄い。団体戦とあわせて
ダブル優勝だね。おめでとう。」

「…向かうところ敵なしってのはウソで
本当はギリギリだったのよ。
来年は、ほんの少しの隙も与えずに勝つ。」

克の声に力が入った。

「うん。お互い頑張ろう。」

「おー。
あ、克幸達も順調に勝ち進んでるみたい。
明日は他のチームの3位決定戦のあと
決勝じゃない?」

「拓実くん達も、サッカー準々決勝
って言ってた。皆凄いね。」

「特に克幸は、話したけど
気迫凄かったぜー。明日の試合
かけてるもんがあるからって。」

「かけてる?」

「詩織ちゃんでしょ。あいつ明日
優勝して、詩織ちゃんに告るって
決めてるから。」

「そうなのー!?やったー!!
詩織本当号泣するかも。かっちゃんも
真面目だから…相当気合い入ってるね。」

「打ち上げの時話するはずだから
お祝いしてやろー。」

「うん。私たち先に行って準備しとくけど
克も手伝い来れたりする?」

「もちろん。早めに行くわ。」

「ありがとう。そしたらまた明日ね。」

「うん。おやすみ。」

気持ちのいい身体の疲れと
嬉しい報告とで、舞はすぐ眠りに落ちた。
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