ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
花火が終わるとクラス会はお開きとなった。

「舞、またね。克も、おやすみ。」

詩織とわかれた後
克が家まで送ってくれることになった。

「…なんか夢みたい。
まだ気持ちふわふわしてる。」

「俺も。…でも正直怖かった。
断られたらって思うと、今までみたいに
一緒にバカなことできないじゃん?
だから、すっげー嬉しいしほっとした。」

「うん。…好きって怖いよね。
今までは、大丈夫だったことも
好きってわかったら、ドキドキなったり
独占欲かな…勝手に嫌になっちゃって。」

「それは、嬉しいけど…
俺も舞のこと、他のヤツにとられたくない
って思ったから。」

「そんな物好き、他にいないよー。」

「舞は鈍いから心配。
半年経ったら言おうと思ってたんだけど
…余裕なくって告るの早まった。」



「…克が好きだよ。…すっごく。」



キキッ

克が自転車をとめる。

「…それ反則。」

克の大きな手が舞の頬を包んだ。
克の香りに包まれて舞はぎゅっと目を瞑る。

「俺も、…すっげー好き。」

克の切なそうな声と同時に唇が重なった。
さっきの軽く触れるキスとは違う
しっかりと、でも啄むようなキス。

「…んっ。」
 
舞の声が漏れた。



「…もうちょっと。
深いのはしないから。」

そう言うと、克は優しく抱きしめながら
包み込むようにゆっくりと唇を重ねた。
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