ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
「はいはい、入るよー。」

クラスの外へ向かって声をかける。
ガヤガヤと言いながら半数の生徒が入ってきた。

ドサッ

隣の席の机の上に大きな荷物が置かれた。
窓の外を見ていた舞が音の方へ目をやった。

「…あっ!」
「…えっ?」

2人は同時に言葉を発していた。

「…さくらちゃん?」
「…すぐる…先輩?」

驚いた様子であったが、それを聞いて

「…さくらじゃないって!」
「…先輩って何?」

また2人は同時に叫んでいた。

教室に響く2人の声。

「はいはい、そこの2人!
見つめあっちゃって、あついねー!

ラブストーリーは突然に訪れるようです。
…というのはおいといて、HRはじめまーす!

俺は、担任の生島浩二(いくしまこうじ)
専門は国語です。よろしく。」

先生の自己紹介にクラスの皆は爆笑。
舞とすぐるをみて
ヒューと口笛をならす男子もいる。

「…もう!何なの!」

真っ赤にして舞は顔を手で覆った。
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