ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
ー克幸・詩織のテスト勉強ー

「お久しぶりです。」

詩織が礼儀正しく挨拶をする。

「詩織ちゃん、久しぶりだね。
高校生活はどう？
克幸が迷惑かけてないかな？」

優しそうな顔で克幸のお父さんが言った。

「楽しいです！克幸くんも舞も直樹も
同じクラスなので、心強いです。」

詩織が笑顔で話すのを見て
お父さんの顔がさらに優しくなった。

「そっか。それならよかった。
今日は勉強まで付き合わせて…。
詩織ちゃん、これからも
克幸のことよろしくね。
本当、野球ばっかりだから。」

「はい！こちらこそよろしくお願いします。」

「親としても安心。
試合で、あんなことがあったから
もっと落ち込むかなと思っていたんだけど
詩織ちゃんのおかげで元気になったみたい。
いつでも遊びにおいでね。
今日は、ぱぱと朱音とお出かけだから。」

克幸のお母さんも優しそうに笑った。
妹の朱音も横でペコっとおじぎをする。

「じゃ、行ってらっしゃい。」

克幸がヒラヒラと手を振る。

「はいはい、邪魔ものは早く出ますよ。」

お母さんが笑って言った。

「じゃあ、詩織ちゃん
今日はお構いもできず、ごめんね。
ゆっくりしていって。
そして、本当にありがとう。」

そう言うとお父さん達は、車で出て行った。
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