ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
「着いた。ちょっと自転車とめてくる。」

駅に着くと克が言った。

「え?どこ行くの?」

「お楽しみ。」

しばらくすると克が戻ってきた。

「行こっか。」

そう言いながら、舞の右手を握る。

「…手。」

「わり、つい。手繋ぐのやだった?」

「ううん,嬉しくって。
普段、自転車だから。」

「そう俺も思って。今日は何か
ゆっくり舞とこうやって歩きたいなーって。」

「うん。ありがと。嬉しい。」

そう言うと
舞もぎゅっと克の左手を握りかえした。

「じゃ、電車乗ろっか。」

「うんっ。」
< 99 / 294 >

この作品をシェア

pagetop