西岡三兄弟の異常な執着
二階に下り、今度は赤い扉の前。
朱雀と花苗の部屋だ。
中に入ると、やはり真っ暗で黄河と同じようにリモコンを操作し、カーテンを開けた。

朝日が入り、黄河よりは小さいクィーンサイズ程のベットに二人ぴったりくっついて、眠っていた。
朱雀がしっかり花苗を抱き締めていて、しかも朱雀は下着姿だ。
ブルーのガウンは、ベットに下に無造作に落ちていた。

「刺青……」
山田が呟いた。
朱雀の背中には、河と王冠をかぶった雀の刺青が彫られていた。
「若様?若様!」
「ん…あ、森宮さん?」
「あ、花苗様、おはようございます」
「あ…もう、朝……」
森宮の呼び掛けに朱雀ではなく、花苗が起きた。
「はい、朝食の準備ができてますよ。
……………あまり寝てないようですね。
大丈夫ですか?」
森宮がフワッと微笑み、花苗に言う。

「はい、大丈夫ですよ。
朱雀を起こして、ダイニングに向かいますね!」
「はい、よろしくお願いします」
また微笑んで、部屋を後にした。

そして最後は、同じく二階の白い扉。
リモコンでカーテンを開けると、真白も黄河と同じ大きなベットに下着姿で眠っていた。
真白の部屋の中を見て、水樹達は驚愕した。
黄河と家具や配置など、全てそっくりだったのだ。

そして真白も、朱雀と同じ刺青が背中に入っていた。

「坊ちゃま、起きてください。
朝食の準備ができております」
「んー、さっきまでゲームしてたから、もう少し寝る」
うつ伏せに寝転んだまま、真白が言った。

「しかし、ご主人様達が待ってますよ?」
「兄ちゃん達…わかった、起きる」
「はい、ではよろしくお願いします」
そう言って真白の部屋を出た森宮。

「皆さん、ここからは多少バタバタですよ。
急いでキッチンに戻り、朝食を温めてお出しします」
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