西岡三兄弟の異常な執着

｢はっきり言え！！どうせ、チンケな理由なんだから！
真白が花苗を慕って甘えるから、嫉妬したんだろ？
バレバレなんだよ！？
下衆な召使が、嫉妬なんかすんじゃねぇ…！！
しかも！花苗に嫉妬心をぶつけるなど、女ってのはなんで女に当たるんだ！？｣
全てバレていた。
山田は何も言い返せず、俯き震えていた。

｢気色悪い女｣
｢え……｣
ボソッと言った真白の言葉に、山田が真白を見た。

｢俺にとっても、苗は大事な姉ちゃんなんだけど？
傷つけるなんて、あり得ねぇ…
しかも下衆な勘違い女に好かれてるなんて、俺まで穢れる！例えお前が幼なじみだったとしても、関わりたくもねぇ……！
俺を見るな！
気色悪いし、吐き気がする！｣
｢そんな…真白様……｣

｢━━━━━！！！あ、今、ダメ！山田さん……！｣
肩を落としていた花苗が、バッと顔を上げ山田を見た。
｢え……花苗…様…？
━━━━━━━はっ！！｣

｢お前……｣
｢今……｣
｢俺の名前、呼んだな…！！！｣
無意識に真白の名前を呼んだ山田。
途端に三兄弟の雰囲気が、黒く、重たく染まった。
リビング内が、重たく圧迫される。
なぜか、息もまともにできない。

山田は地獄の入口に立たされた気分だった。
いや、地獄がどんなとこかわからないが、それ程の恐怖でガクガク震えていた。
｢山田さん！早く、真白くんに謝ってください！｣
｢え？｣
｢私はもう……二度とあんな、悲惨なとこは見たくない！｣

｢え……何のことです━━━━━━
あがぁぁぁーーーー！！！！｣
何かがシュッと飛んできて、山田の頭に命中した。
全く動きが見えなかった山田。
途端に頭に激痛が走り、頭を押さえうずくまった。