西岡三兄弟の異常な執着
そしてその日の夜中。
みんなが寝静まった頃━━━━

コンコンと森宮の部屋のドアのノックの音が静かに鳴った。
「はい。
……………花苗様?」
「ごめんね、こんな夜中に…」
森宮が少しドアを開け、廊下を覗くと花苗が立っていた。
「いえ。わざわざ来られなくても、電話してくださればお部屋まで行ったのに……」
「ううん……朱雀に知られないようにしないと……」
「え?あ!そっか!もう“あの日”ですね!」
「うん、だからまたお願いしたくて……」
「もちろんです!」
「フフ…いつも、ありがとう!森宮さん!」
「……/////」
ネグリジェ姿の花苗。
身長差のある自分を見上げ、微笑む花苗。
それが上目遣いに見え、それがまた森宮の心をくすぐる。
「ん?森宮さん?どうしたの?」
顔を覗き込まれ、更に花苗の顔が近づく。
甘い香りがフワッと香り、心臓がドクンと鳴った。
思わず花苗の頬に触れた、森宮。
「え?森宮さん?」
「花苗様……僕は━━━━━━」

「花苗ーー!!どこぉーーー!!」

「あ!まずい!朱雀が、起きちゃった!
森宮さん、じゃあまた連絡ちょうだい!」
そう言って、パタパタと二階に駆けていった花苗。

「貴女が、好きです……
…って言えたら、どんなにいいか………」
しばらく森宮は、その場に立ち尽くしていた。

「もう!どこ行ってたの!?
起きたら、腕の中にいないじゃん!トイレかと思ってしばらく待っても帰ってこないし!」
「ごめんね!」
「早く寝よ?僕、花苗が腕の中にいないと寝れないんだからね!」
「うん」
まるで抱き枕のようにぴったりくっつき抱き締めら
れ、眠りについた花苗だった。
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