西岡三兄弟の異常な執着
「そう」
「そう言えば、いたね」
「苗、よくわかったね」
三人共、特に何の感情もなく答え篠田をみる。

「そんな……
す、すみません!
こちらこそ、お忙しいところわざわざお越しいただき、ありがとうございます!」
素っ気ない三人に代わり、花苗は篠田に深く頭を下げた。
「いえ…
本日は、弟さんの朱雀さんにお話があります。
少々お時間を頂戴できませんか?」
「何?」
「ここでは、ちょっと……」
「は?ここで話しなよ!
花苗達と離れたくない!」
心底嫌そうに、篠田に向き直る朱雀。
「しかし……」

「おい!大臣」
言いあぐねている篠田に、黄河が言い放った。
「は、はい!」
「お前、最初から色々間違ってる」
「は?」
「お前がこの国でどれだけ偉い立場かは全く興味ない。
どんなに偉かろうと俺様に対して“会長”とは何だ!?朱雀に対してもそうだ。バカにするのも、いい加減にしろ!?」
西岡三兄弟は三人共身長が180以上あり、日本人にしては背が高い方だ。
特に黄河は、一番背が高い。
その為、黄河に見下ろされるとかなりの圧迫感があるのだ。
篠田は、黄河の圧力に圧倒されていた。

「それに!俺達から、朱兄ちゃんを離そうとしたし!
何より、朱兄ちゃんと苗を離すなんてあり得ねぇ……!!」
そこに真白も入り、圧迫は更に増した。

「も、申し訳ありません!
では、なんとお呼びすれば……
黄河様とお呼びすればよろしいですか?」
「はぁぁ?お前ごときが、俺様の名前を呼んでいいと思ってんのか!!?」
「会長“様”とお呼びください。
朱雀様のことは“社長様”、真白様のことは“副社長様”とお呼びください」

「は?な、なんで…こんなガキ達に……」
篠田が思わず呟いた。
「は……?
━━━━━━!!!!」
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