西岡三兄弟の異常な執着

｢………｣
花苗は無言で、朱雀の横に座り抱きついた。
朱雀の首に巻きつくようにしがみつき顔を埋めた。

｢花苗？
こんな花苗可愛いけど、誤魔化されないよ？
ちゃんと言って？｣
｢胸が痛いの｣
｢え？花苗？
体調悪いの？
ご、ごめんね！てっきり森宮に会ってると思ってたから………花苗、顔見せて？｣
少し焦ったように、背中をさする朱雀。
花苗はゆっくり腕を解き、朱雀に向き直った。

｢朱雀…｣
｢ん？｣
｢頭が沸騰しそうに熱い｣
｢花苗？｣
｢心臓が破れそうな位、苦しい｣
｢どうしたの？｣
｢朱雀、私を助けて｣
｢え……｣
｢朱雀がいないと、生きていけないの｣
｢うん…僕もだよ｣
｢心が壊れそう。
今度は、朱雀が私を支えて｣
｢うん、もちろん！
何があったかわからないけど、僕は何があっても花苗から放れないよ！
花苗、僕とどうしたい？｣
｢ギュッてして？
放さないで？｣
そう言って花苗は、両手を広げた。

｢んー、もっとワガママ言ってよ！
ギュッてして、放さないなんて僕がしたいんだから！｣
朱雀は少し不服そうに、花苗を抱き締めた。
花苗は朱雀の胸に顔を埋めた。

｢嫉妬…したの…｣
顔を埋めたまま、ゆっくり話し出す花苗。
｢うん｣
｢さっきまで、杉尾さんと話してたの。
杉尾さん、朱雀に会いたくて西岡電力に就職したんだって。裏の……私の知らない朱雀を知ってて、それに嫉妬しちゃってモヤモヤして……
朱雀は私の旦那さんなのに…って思っちゃったの｣
｢そっか……
僕は、花苗以外いらないよ！
まぁ、兄さんと真白は例外だけど……
だからね、花苗は何も心配しなくて大丈夫だよ！
僕の方が、花苗がいないと息ができないんだから。
きっと僕の方が花苗を愛してるんだよ｣