西岡三兄弟の異常な執着
同窓会当日の夜。

夕食後、いつものように二階のリビングでお茶をしている四人。
花苗はボーッとして“今頃みんなは同窓会かぁ。私も行きたかったなぁ”と考えていた。

「━━━苗!花苗!!」
「ふぇ!?な、何?朱雀」
気づくと朱雀に頬をつままれていた。

「何を考えてるの?
確実に僕のことじゃないよね?」
朱雀の顔が目の前に近づき、覗き込まれ囁かれた。
「別に何も……」

「同窓会、私も行きたかったなぁ」
「え!?」
「………って、考えてただろ?」
黄河に図星をつかれる。
思わず花苗も、驚きフリーズした。
「図星だ(笑)!
でも、苗は分かりやすいもんね~!」
真白にもクスクス笑われた、花苗だった。

「花苗」
「え……朱…雀…?」
朱雀にそのままソファに押し倒される、花苗。
「誰のこと考えてた?」
「え……」
「花苗は、僕のこと“だけ”しか考えちゃダメなのに、誰のこと考えてたの?」
「だ、誰のことも考えてないよ。
確かに、同窓会行きたかったなぁとは考えてたけど……」
「どうして、そんなに行きたかったの?同窓会」
「友達に久しぶりに会いたかったなぁって思っただけだよ」
「誰?理太郎?」
「え?ち、違うよ?
理緒ちゃんや奈美ちゃんのことだよ」
「ふーん…」

「そういえば、理太郎って今は朱雀の部下だろ?」
「うん、そうだよ。まぁ、性格には紫苑の部下だよ」
「理太郎って、苗のこと好きだった奴?
紫苑と付き合ってた時から、苗にアプローチしてたよな?」
「そ!同窓会の手紙も、理太郎の仕業だった」
ため息混じりに朱雀が言う。

「アイツか!!
なんかおかしいと思ったんだよな!」
黄河の目が鋭く光った。
「ほんと…抜かりのない奴!」
真白もため息混じりに言った。

「え?え?どうゆうこと?」
「んー?花苗には、内緒!」
三人の言ってる意味がわからない花苗に、朱雀が耳元で囁いた。

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