天才外科医と身ごもり盲愛婚~愛し子ごとこの手で抱きたい~
ようやく届いた想い
二月の初旬。平日の午前中に半休をもらい、先週と同じ産婦人科で赤ちゃんの状態を診てもらった。
二度目の内診でもまだ慣れないなと思いつつ、できるだけ体の力を抜いていると、カーテンの向こうで先生が唸る。
「うう~ん……うん。やっぱり、そうよね」
その声が深刻そうに聞こえ、まさか心臓が動いていないのかと心配になる。
「あ、あの……?」
私が不安げな声を上げると、先生がハッとしたように、超音波の画面をこちら側に向けてくれる。
「ああ、お待たせしてごめんなさい。赤ちゃん、今のところ元気ですよ。どうやらふたりいるみたい」
「えっ?」
赤ちゃんがふたり? それってまさか……。
「ここにひとつ、動いている心臓が見えますよね。そして……」
先生が機械を動かし、画面が変わる。すると、力強く拍動するもうひとりの赤ちゃんの心臓が映った。嘘みたい。まさか、自分が双子ちゃんを授かるなんて。
「双胎妊娠はリスクが高いので、申し訳ないけれどうちの病院では出産ができないの。すぐに大きな総合病院を探したほうがいいわ」
知らなかった……。双子の妊娠はリスクが高いんだ。
ひとりでも産むと決断したはずが、急に心細くなり落ち込んでしまう。