天才外科医と身ごもり盲愛婚~愛し子ごとこの手で抱きたい~
「聡悟くん、夕希さん……こんにちは。ごめんなさい、なんのお構いもできなくて」
そう言って力なく笑う私は、ソファで次男の大志に授乳中。
勇悟と同じく睡眠不足で、たびたびウトウトしては哺乳瓶を落としそうになり、思うようにミルクが飲めない大志の機嫌を損ねている。
これが、二十四時間エンドレス。ときどき両家の親が手伝いに来てくれる日は少し眠れるが、それ以外は夫婦ふたりで乗り越えなければならず、肉体も精神もぎりぎりの状態だった。
「なるほどな。双子育児の大変さは聞いていたが、毎日これじゃふたりともつらいだろう」
聡悟くんは気の毒そうに言って、勇悟の手から真志を受け取って横抱きにする。
生まれてすぐの頃も抱っこしたことがあるので、「重くなったなー」と感慨深げに笑う。
すると、今までギャン泣きしていた真志がぱたりと泣き止み、聡悟くんの胸にこてんと頭を預けてウトウトし始める。
今まで私たちがなにをやってもダメだったのに……?
その光景が衝撃過ぎて、一瞬眠気が飛んだ。
聡悟くんは愛おしそうに真志を抱いたままゆらゆら体を揺らし、「長男同士、気が合うのかもな」なんて冗談を言っている。