月とカラスは程遠い
 しばらくすると正門が見えた。
正門の中に入り、やっと立ち止まる。

「足速すぎでしょ、はぁ、はぁ、、」
声が聞こえて右手の居場所を思い出す。

(あ、、)
「あ!!ごめんなさい、忘れてた!!」

つかみっぱなしだった手を放して謝る。

その瞬間。
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴った。

お互い顔を見合わせる。

それからまた二人で何も言わず走り出した。
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