『君』の代わり。
「ばあちゃんのご飯、食べてく?」
「今日は、食べないつもりだったから
また明日にする」
看板まで戻っても
まだ朝日奈といたかった
「ダイエット?」
「んーん…
今日、星野に告白したら
なんとなく泣く気がしてたから
おばあちゃんのご飯は食べないつもりだった」
「なんで、泣く気だったの?」
「最近、星野が冷たい気がして
ふられるだろうな…って思ったから…」
「冷たかった?」
「うん、なんとなく…」
「ごめん…」
朝日奈を好きな気持ちを
押さえてた
なのに朝日奈が
だんだん近くなる気がして
もぉこれ以上
朝日奈を
好きにならないように
必死だった
「ねー、星野…
じゃー、もぉキスしても、怒んない?」
「それって…
朝日奈の好きって…ちゃんと…」
オレのことが
好きなんだよね?
「ちゃんと、好きだよ
…
星野だから、好きだよ
…
星野じゃなきゃ、ダメだよ
…
ね、だから…
好きだからいいでしょ
…
星野のこと、好きだから…」
ーーー
話してる朝日奈の口を塞いだ
それ以上言わなくても
「オレも、好きだよ」
押さえてた気持ちが溢れた
「やっぱり星野、優しいね
…
星野なら、こわくない
…
星野、好きだよ!
バイバイ!
…
また明日ね!」
「うん、バイバイ…
…
また明日…」
オレの体操着の中で
手を振る朝日奈を見送った
また明日
朝日奈が離れて
また寒くなったのに
熱くなった
明日も
オレは
朝日奈が
好きだよ