『君』の代わり。
「ハイ…クリスマスプレゼント」
新幹線の中で朝日奈に渡した
「なに?」
「開けてみて…
さっき朝日奈欲しそうにしてたから…」
朝日奈にネックレスを買った
店長が言ってた
彼女にプレゼント
いつか買ってみたかった
バイトをしてた意味があった
初めて実感した
「嬉しい!
星野、つけてよ」
「うん…」
さり気なくキラキラしてて
朝日奈ぽかった
「似合う?」
「似合うよ
かわいい…」
「星野、ありがと…
…
私、何も用意してないや…」
「オレ、何もいらない
…
朝日奈がいたら、それでいい」
「星野、ありがと…
…
東京から
何もないあんな田舎に来てくれて…」
オレにとって
東京自体は
なんの価値もなくて
何もないのと一緒だった
朝日奈に会えた
あの町が
朝日奈と一緒に過ごした
オレの部屋が
オレのいる場所なんだ
オレの生きてる場所に
いつも
朝日奈がいて欲しい
「朝日奈、ありがと…
…
オレを好きになってくれて…」
オレの気持ちを
生かしてくれて…
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新幹線の中
何度もキスした