『君』の代わり。

外に出たら明るくて

まだ暑くて

不思議な気分になった



「こっちの空もなかなか綺麗だったよ
星野、連れてきてくれて、ありがと

私の町の夜空は
当たり前だと思ってた

星野が隣にいるのも
当たり前だと思ってた

でも当たり前じゃなくて
星野がおばあちゃんちに来てなかったら
私たち、出会えなかったね

星野、ありがと
私の隣にいてくれて…

なんか、うまく言えないけど
ずっと星野といたいと思ったよ」



「ごめん…朝日奈…
なんか、うまく返事できない」



「うん、返事はいらないよ」



星野は

私の手をずっと握ってくれてた



それが返事だと

私は思ってる



でも



この手も

いつか…



当たり前じゃなくなる日が

来るって



なんとなく

わかるよ



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