『君』の代わり。

「ねー、星野
今日の予定は?」



「今日は…」



星野は布団の中で

まだ眠そうだった



「朝日奈、行きたいところは?」



「ん?特にないかな…」



「じゃー、まだこーしてよーよ」



同じ布団の中

またふたりだけの世界みたい



「ばあちゃん、朝日奈のこと待ってるかな」



「星野、おばあちゃんが恋しくなった?」



「そーだね…そろそろ…

ひなちゃん…て
聞きたくなってきた…

ひなちゃん…


ひなちゃん…


…」



星野は

私の髪を撫でながら

また目を閉じた



星野にとって

この部屋が

この家が

くつろげる場所になったら

いいな



星野をギュッてしたら

ギュッて返ってきた



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