『君』の代わり。

「おばあちゃん、ただいま」



「ひなちゃん楽しかった?」



「うん、楽しかったよ
コレ、おばあちゃんにお土産
おばあちゃんお菓子食べれないでしょ
だから、限定色のリップ
私とお揃い!」



「まぁ!若返りそうだわ
ひなちゃん、ありがとう
それで?ひなちゃんの土産話は?」



「あのね、欲しかったワンピースを買ったの!
今度おばあちゃんにも見せるね
それからね、星野が
プラネタリウムに連れて行ってくれてね
すごいの!宇宙にいるみたいだった」



「ひなちゃんが楽しそうだと
ばあちゃん元気出るわ」



「おばあちゃん寂しかった?」



「そーだねぇ…」



「星野がね
おばあちゃんに会いたいって…
それで今日早く帰ってきたの!」



「そんなこと言ってねーし…」



「そぉ?言ってなかったっけ?」



「オレは
朝日奈がいれば、どこでもいい」



「あら、あら…
仲がいいこと」



私も星野と一緒なら

どこにでも行ける気がして



それは星野しかいなくて

星野じゃないと

ダメなんだ



星野の代わりは

いないんだ



「ひなちゃん、ご飯食べよ
味噌汁盛ってくれる?」



「はーい!」



いつまでも

少しでも長く

この環境が

続きますように…



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