『君』の代わり。

「ご飯美味しいか?
いっぱい食べなさい
育ち盛りなんだから!」



「うん、ばあちゃんありがと」



ここにいると和む



でも
ばあちゃんが作る野菜の煮物みたいなのが
ちょっと苦手だった



「煮菜、嫌いか?」



「うん、あんまり得意じゃないかも…」



「嫌いなら無理して食べなくてもいいから…
夕飯は何が食べたい?」



「肉」



「やっぱり若い子は肉なんか
今日カツ揚げてあげるから」



「うん、ばあちゃんちのカツ美味しい」



ここにいると

今日の夕飯は何かな?

それぐらいしか考えることがなくて

ラクだった



何もできない落ちこぼれなのに

ばあちゃんは

オレをかわいがってくれた



< 18 / 167 >

この作品をシェア

pagetop