『君』の代わり。

公園が暗くなるまで

ベンチでひとりで泣いた



帰りに寄ったコンビニが明る過ぎて

少し恥ずかしかった



レジで温かいカフェオレを買った



「朝日奈って、部活してたっけ?」



レジの店員の声で

顔を上げた



よく見たら星野(ほしの)だった



きっと私

目が赤い

鼻も赤いかも



誰にも見られたくなかった



久しぶりに見た

星野



「部活、してない」



「だよね…
遅かったね」



「うん…
星野、ここでバイトしてんの?」



「うん
わりとヒマな店だからラク」



星野が小声で言った



今も店内には私しかお客さんがいない

もうひとりの店員さんが品出しをしてた



「朝日奈、ひとりなの?」



「うん、ひとり…」



告白がうまくいってたら

ふたりだったかもしれない



うまくいってたら

ここに来てないか…



「オレ、9時で上がりだから
一緒に帰んない?
暗いし、危ないから
途中まで一緒に帰ろうよ
あと、10分ぐらい待ってて…
あ、5分…なるべく早く上がるから…」



星野が時計を見て言った



もぉ9時なんだ

時間を忘れてた



先輩

あの人とやったかな?



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