私と君の関係 *学園の王子は婚約者様!?*


「ごめんね、いきなり連れて来られてびっくりしたでしょ?大丈夫だよ、俺達事情は知ってるから安心して」


 優しく言ってくれた会長。


 事情を知ってくれてるってことは、つまり……。



「ご飯食べながら話そうか。こっちおいで」


 立ったままだったことに気づいてくれた会長がソファに誘導してくれた。


 私の隣には莉奈、向かいの私の正面に颯真、その隣に会長が座った。


 颯真とは目は合わず、謎にムスッとしてる。


 珍しい。家ではそんな子供っぽい感じないのに。



「私食べてるね!いただきます!」


 少しだけぎこちない雰囲気が流れる中、莉奈がその空間を壊すようにご飯を食べだした。


 それを見た会長もふんわりと笑い、「じゃあ俺も」と言って食べ始めた。


「華音は食べないの?」


「う、うん……。いただきます」


 莉奈に促されるように私も弁当に手をつける。


 目の前に座る颯真は黙々と開けて食べ始めてるし、私も失礼して……。


 うん。相変わらず綺麗で栄養バランスもしっかりしてるお弁当。


 しかも美味しい。

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