私と君の関係 *学園の王子は婚約者様!?*
「気づいてるかもしれないけど、莉奈も知ってるんだ。君がこの学園で過ごしやすいように動いてもらうためにね」
「華音。黙っててごめんね」
隣に座る莉奈が申し訳なさそうに私を見る。
「ううん。むしろ、私のために色々動いてくれてありがとう」
きっと私が知らないところでも色々と動いてくれていたんだと思う。
それは莉奈や会長だけじゃなくて、きっと颯真も。
颯真は、私が入学してから1人ぼっちにならないように莉奈に声をかけてくれて、婚約者だって騒ぎにならないように従兄妹ってことにしてくれるように会長に頼んでくれたんだよね?
家では私をからかって楽しむような意地悪野郎だけど、本当はこうやって助けてくれてる。
生徒会の仕事や勉強、黒崎家の仕事も少しだけど手伝ってるってママから聞いてびっくりした。
そんな忙しい中、私のことにも気を回してくれて…………。
前に座る颯真とはやっぱり目が合わない。
私は颯真を知らなさすぎる。
そんな私の気持ちを察したように、会長はそこからゆっくり話をしてくれた。