私と君の関係 *学園の王子は婚約者様!?*
───ピピー!
そうこうしているうちに審判の先生が笛を吹いて出てきた。
それを聞いた俺達は先生が立っているところに集まり整列する。
「それでは、3年2組 対 3年5組の試合を始める。礼!」
「「「お願いしまーす!!」」」
その掛け声と共に、周りのギャラリーからは大きな声援と拍手が沸いた。
自分が思っている以上に今年の盛り上がりは半端ない。
今年で最後ってのもあるけど、クラス全体が優勝目指して頑張ってるから余計に圧がすごい。
現に今も俺らのチームもやる気満々だ。
普通、お互いに礼をしたらすぐに自分のポジションに付くんだけど、藍斗はすげえ楽しそうに話しかけてきた。
「正々堂々、頑張ろうぜ!」
「あぁ。どっちが勝っても負けても恨みっこなしだからな」
俺の言ったことに二ッと楽しそうに笑った藍斗と拳を合わせ、「華音ちゃんにもいいとこ見せないとな♪」と俺らにしか聞こえない声で言う。
不意打ちをくらった俺はその場で固まる。そんな俺を見て嬉しそうに笑いながら自分のポジションに向かって行った。
「......藍斗、あいつ............」
俺の恨めしそうな声なんて届いてないけど、この少しだけ胸がソワソワする気持ちを抑えながら俺も自分の陣地へと向かった。