私と君の関係 *学園の王子は婚約者様!?*
「はぁぁー、やっぱり一宮が厄介だなぁ……」
「ただでさえ5組強いってのに、一宮の采配が上手すぎる」
「…………確かに。さすが藍斗だね、全然突き放せない」
第2クォーターまで終わり、今はハーフタイム中。とは言っても高校生の球技大会だから5分程の短い休憩だ。
その間にみんな急いで給水を取るのと同時に作戦を練る。
みんなが言うように藍斗が5組を上手く仕切っているから、点数はこっちが優勢なのにあまり余裕を持てない。
しかも今回は溺愛してる莉奈ちゃんも見に来てるから余計に負けられないって感じだし。
「とにかく、藍斗は俺が抑えるからその間にみんな点数稼いで」
「「「オッケー!!!」」」
バスケ部の奴らもバスケ部だっていうプライドがある。俺だって、藍斗には負けたくないっていうライバル心がある。
あとは…………。
無意識に意識してしまうのはきっと、さっき貰った連絡のせい。
せっかく来てるんだし、ダサいところは見せたくない。どうせなら勝つところを見せたい。
なんてことを思っていることに少し戸惑う。
何でなんだろうな、こんな風に思うのは。
今まで女なんて上辺だけを見て群がってくるただのバカ共だと思ってた。
でも、あいつは。あいつだけは違った。